ディズニーランドでシルエットカットアーティストとして活動していたハリー・ブリスは、Disneyana Convention(ディズニーファンの集い)に参加した際、ファンがディズニーグッズを買い求めている姿を目にし、ディズニーランド内でもコレクターが購入してくれるスーベニア(お土産)を販売できないかと考えていました。
ハリーはディズニーの法務顧問だったニール・マクルーアに相談、社内で会議が開かれプロジェクトが進むことになります。
当初、お金に見立てたスーベニアを作る計画でしたが、ディズニー・マーケティング副社長のジャック・リンドクィストが実際に使える紙幣を作ろうと提案し、ディズニーダラーの発行計画が具体化していきました。
またパーク内限定とはいえ、実際に使用できる貨幣を作ることもあり、ディズニーは法的問題がないかアメリカ政府にも相談しています。これに対して政府はとても協力的で紙幣の偽造防止策も提案してくれました。実際、ディズニーダラーには本物の紙幣と遜色ないレベルの偽造防止技術が採用されています。
そして1987年5月5日、最初のディズニーダラーがカリフォルニア州アナハイムのディズニーランドメインゲートに届けられ、盛大に祝福されたのです。
1987年から2016年にかけて販売されたディズニーダラーですが紙幣の発行自体は2014年まででした。また1992年と2006年、2012年は発行されておりません。
バリエーションは額面、年号、通し番号によって分類されます。
$1、$5、$10、$50の額面が存在します(但し$50は2005年のみ、$5と$10も不発行の年あり)。
1987年から2014年まで(但し1992年、2004年、2006年、2010年、2012年は不発行)。
ディズニーダラーは通常の紙幣と同様にシリアルナンバー(通し番号)が印字されています。また数字の先頭にAやD、Tなどのアルファベット(プレフィックス)が追加されています。
同じ年代、額面でもプレフィックスの違いで発行枚数に差があり、この差(希少性)が付加価値を与えています。
なお末尾にもアルファベットが付くことがありますが、これはあまり気にする必要がありません。